カルティエ宇宙支店のバーゲン
おねーちゃんはカルティエ宇宙支店のバーゲンに向かう。
ロケットは光の速度の99.9%のスピードで、地球を旅立った。
星の光が届くのに、5年もかかるほど離れた星に、おねーちゃんは行ってしまった。
おねーちゃんが5光年先のカルティエ支店に到着する頃、俺にとってはきっちり5年だ。
だが俺の時間で考えれば、おねーちゃんは82日程度で到着する。矢印の長さが違うように。
おねーちゃんが地球に帰る頃、俺は10歳年をとっている。
だがおねーちゃんは2年ちょい分しか老けていない。
不公平だろ?
光の速さで移動すると、時間が止まったようになる。空間も縮む。奥行きがなく時の止まった世界になる。
いつになっても飲み会の時間にならないし、空に手を伸ばせば月が触れる位置にあるかもしれない。
(まぁ俺の手の長さも縮むから、そうはいかないんだろうけど)
これが特殊相対性理論だ。